【作品解説】21本のバラ 〜真実の愛〜

 
 
 
初めての個展をさせて頂く事になった。
 
会場は、恵比寿のバー。
 
最初の打ち合わせで、
アーティストコラボレーション カクテル
という企画を 教えていただいた。
 
なんてステキ。
 
私はアルコールのアレルギーだけれど、
前々からカクテルというモノには なにか
『作品』的なモノを 感じていて。
 
自分では 試飲が出来ないけれど、
そこはプロにお任せしていい。
 

なんてステキ。
 
自分の知らない 新しい事が始まると、
私は いつだって ワクワクする。
 
 
 
ステキなカクテルに 相応しいように、
1番好きな 花を描きたいと思った。
1番好きな ピンク色で。
 
好きな曲を 付けようと思った。
 
見て下さる方が、幸せになるような。
 
 
1番好きな花はバラ。
でも 花言葉が多すぎて、ずっと絞れなかった。
 
バラは色でも、花言葉が変わる。
本数でも。
 
 
カクテルの名前になるのならと、
『真実』が付く 花言葉を探した。
 
やっと探し当てたのは、21本のバラ。
花言葉は『真実の愛』。
 
 
 
バラのブーケは、一瞬 構図に迷った。
21本を 丁寧に描いても良かったけれど。
 
いっその事と、アップで5本にまとめた。
香りを嗅ぐ時は、そんな風に見えるハズ。
 
 
優しい作品にしたかった。
 
だから たっぷりの水を使った。
 
 
真ん中のピンクは、オペラ。
 
赤は、 クリムゾンレーキ。
 
オレンジは、バーミリオン。
 
青は、 プルシャンブルー。
 
 
囲むような、ライトゴールド。
 
 
色鉛筆で仕上げた細部は、
ほとんど描き込まなかった。
 
花束を、目を細めて見守るように。
 
 
 
前から使いたい曲があった。
 
Alicia Keys の 『 If I Ain’t Got You. 』
 
 
 
Some people need three dozen roses
And that’s the only way to prove your love him
 
Some people want diamond rings
Some just want everything
But everything means nothing
If I ain’t got you.
 
ある人達は愛を証明する為に、
3ダースものバラを必要とする。
 
ある人達はダイヤモンドの指輪が必要で、
全てを手に入れようとする。
 
けれど、全てが 無意味なの。
もしも あなたが 手に入らないならば。
 
 
 
 
花束の絵を描いておいて、なんという矛盾。
 
それでも、
彼女の この曲には 
とても共感する。
 
 
私は 物欲というモノが あまりない。
 
花は いつか 枯れてしまうし。
指輪はきっと 無くしてしまう。
 
 
心だって、変わってしまうかもしれないけれど。
 
それでも。
 
その時 伝わった想いは、胸に残るだろう。
 
 
 
 
 
もしも ステキなブーケを頂いたら、
純粋に 喜んでしまうだろうけれど。
 
 
本当は、心が 欲しい。
 
 
 
 
 
『真実の愛』は。
 
 
むしろ 欲深い。
 
 
 
 

▼【作品紹介】
21本のバラ

 

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