私はまだ、
「バグダットカフェ」を知らない。
そういった映画があるという事は、
前々から知っていたけれど。
『 Calling you 』 という曲は、
その映画の主題歌だそうだ。
私は 本家の歌手の方よりも、
手嶌葵さんのバージョンが好きだ。
この曲を見つけた きっかけも、
彼女のカバー集を聞いていたから。
彼女のハスキーで震えるような歌声は、
なんとも言えない 憂いがある。
だけれど、優しい。
和訳をすると、
不思議な世界が見えて来る。
ベガスから続く 砂漠の道を さまよって
たどり着いた どこでもない場所
あなたが知ってる どこよりも いい所よ
コーヒーマシンは 少し修理が必要だけど
ちょっと不思議で 小さなカフェで
*
呼んでいるの 聞こえるかしら
私はあなたを 呼んでいるのよ
砂漠の風が吹きつける
あなたの赤ちゃんが泣いていて
私は眠れないの
だけど 私達 知ってるわよね
変化がおとずれるって
ステキな自由が すぐそこまで来てる
*
呼んでいるの 聞こえてるわよね
私はあなたを 呼んでいるのよ
映画を見ない事には何もわからないけれど、
なぜ彼女は そんな辺ぴな所に来たのか。
そんな場所でのカフェは、
経営が成り立つのだろうか。
そもそも そんな所では、
暮らし自体が成り立つのか。
自分1人ではなく、誰かの赤ん坊をつれて。
まぁ それは、
作品の中の 比喩的な世界だろうけれど。
とにかく彼女は、
誰かの手の届かない
おそらく連絡手段も ままならないような
遠い遠い所に 来てしまって。
自分さえも、追い込んでいる。
壊れたコーヒーマシンなんて、
カフェ自体も成り立たないし。
赤ん坊の泣き声で、眠れもしない毎日。
それなのに。
あなたが知ってる どこよりも いい所よ
そんな風に、言っている。
じゃあ彼女は、幸せなんだろうか。
こんな寂しげなメロディーで?
ただ。
自分を それほどまでに追い込んだ手前、
誰かがやって来るまでは、
絶対に動かないんだろう。
彼女をそこまで追い詰めた 誰かは、
一体、何をしたんだろう。
なんとも不思議な 世界観だ。
「砂漠」という単語から、
いたって単純な思考で
サボテンを連想したけれど、
花言葉を調べたら、
「枯れない愛」だった。
誰かを待ち続ける彼女には、
ピッタリだと 即決。
描きごたえのある花は楽しい。
バックの緑に、鮮やかな赤。
ただ、赤は少し暗めに描いた。
この曲には、
能天気で陽気なサボテンを
描く気にはなれない。
けれど。
どうも彼女は変化を。
ステキな変化を、待ち望んでいるから。
花弁も、光も。 明るい白を使った。
誰かは 一体、何をしたのだろう。
彼女の居場所を、 知っているのだろうか。
彼女が待っていると、知っているだろうか。
知っているのなら、行ってあげてほしい。
サボテンの花が まだ、
枯れないうちに。
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▼【作品紹介】
サボテン
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