ある日。
フラリと 通りかかった 花屋で、
カサブランカを見た。
純白な大輪の花は、
むせるような香りを放っていて。
むせるような香りを放っていて。
とても 自信に満ちているように見えた。
繊細な作りと、肉厚の花びら。
細部まで 描き込みたくなるような魅力。
なんて艶っぽい、色気のある花だろうと、
ドキドキした。
ユリの女王と呼ばれるのも、当然だろう。
花言葉は
『純粋』、 『無垢』、『威厳』。
背景に ミントグリーンを散らして、
真っ白な カサブランカを描き込むのは
楽しかった。
何度か行き詰まって、中断は したけれど。
そろそろ 仕上げ という段になって、
『純粋』で あり続ける事への
難しさを感じた。
生きていれば、
何も知らないフリをして平気で過ごせる程、
『無垢』でもいられない。
それでも、誇りは失いたくない。
『威厳』は 保っていたい。
守るべきモノの為には、痛みを伴うのか。
流されてしまえば、楽なのだろうけれど。
赤は 鮮血。
『純粋』、『無垢』を おびやかす、
『痛み』と『傷』。
それでも、『威厳』は 失わないように。
純白を 汚さないように。
細心の注意を払って、血しぶき をあげた。
まとうのは、金と白の 光。
カサブランカは 見上げている。
光を 浴びている。
サブタイトルは、 何度も変わった。
曲も ずっと、 定まらなかった。
結局 選んだのは、保ち続けた『威厳』。
裏腹に。
痛みで、 揺らぎに 揺らいでいる
Christina Aguilera の「 Hurt 」(痛み)。
傷付きたかった ワケもなく。
傷付けたかった ワケでもない。
ただ
『純粋』で あり続けたかった。
『威厳』を 保ちたかった。
それは むしろ残酷で、
『無垢』には 程遠いかも しれないけれど。
なんて 妖艶な子。
なんて やっかいな子。
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カサブランカ
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