まど ~大きな 真珠貝で 穴を掘って *~
別に なんてことのない
つまらないこと
だったのだけど
きっともう、 すべてを高く
高く高く
積んで しまったから
あふれて くずれて こわれてしまって
すべてが すべて
終ってしまった
真っ暗な世界で
私の声は ふるえて
何の匂いも わからないけど
焼けるように 頬が熱い
今頃 気づいたの ?
……そうね、 だから
笑ってる
もしも 赦されるなら、 何を 望もうかしら
霧のように 消えたい けれど
もしも 許されるなら、 何を 望もうかしら
光の下に 行けたら いいのに
ゆるされるの だから、
何を 望もうかしら
私は 希望の そばに 行く
2014年 第59回 二科千葉支部展 千葉二科賞 受賞
* 夏目漱石 『 夢十夜 第一夜 』
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